ひねもすのたりのたりのたり

ママは春海に聞かれても絶対に教えないある秘密がありました。

年齢です。

いままで何度もことあるごとに聞かれてきたのですが、その都度、
「知らん」
とか、
「忘れた」
とか言って、教えたことはありませんでした。

もちろん、今後も教えるつもりは毛頭ありませんでした。
ヤツは口が軽いので。


ところが、ひょんなことからヤツに年齢がばれてしまいました。


【プロローグ】

指に腫瘍があるとわかって、パパ提案で大神神社に病気平癒祈願に行ったときのこと・・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　※画像は２枚ともお礼参り時のもの。

祈祷殿でご祈祷をしてもらったのですが、何の前触れもなく、唐突に、神主さんが、
「よわい四十四・・・・」
とママのことを年齢入りで神様に紹介してくれちゃったのです(>_<)

ドキッーーーーーー！！！！

まさか、こんなところで、不特定多数の人々の前で年齢を公表されるとは！？(゜Д゜)

春海、しっかり聞いていたようで、祈祷が終わったあと、嬉々として、
「ママー、４４才やってんなーーー(^O^)」
と言ってきました。

ここでは認めてはママの負けだ！と思ったので、
「違うよ」
と一蹴。

「だって神主さん、よわい四十四って言ったやんかーー(^O^)ツンツン」
「でも、４４才じゃないよ」
「じゃあ、神主さんがウソ言ったん？」
「あ、う、、、、、(゜_゜)」

病気平癒祈願に来ておいて、神主さんを嘘つき呼ばわりしたらきっとバチが当たる・・・・
そう思ったママは、とっさに、
「ママは４４才じゃないけど、神主さんがウソをついたわけでもない。四十四っていうのは、神様の世界でのママの年や。実際はちゃうで( ^o^)ノ」
と言っちゃいました。

春海、半信半疑ながらも、それで年齢の話は終わり。


いきなり
【エピローグ】

年齢のことなど、ふだんすっかり忘れてしまっているママ。

入院中もすっかり忘れていました。

ある日、お見舞いに来た春海が、
「あっーーー！！　ママ、４３才やったんっ！？」

「な、なんで！？」

「だって、ここに書いてあるで」

春海がつかんだのは、ママの右手首に装着されていた入院患者個人識別用ベルト。
そこに、個人情報入りのバーコードとともに、ママのフルネームや年齢がはっきりと書かれてありました。

「ママ、４３才やったんーーーー？　パパより年上？　パパより年上？　パパより年上やったーーん？？(^O^)」

春海はママの年齢よりも、「パパより年上」っちゅう部分に妙に食いついてしつこく繰り返し言っていました。


絶対学校とかプールの友だちに、
「うちのママ、４３才やで！　パパより年上やってんで！(^O^)」
って言いふらしているだろうなあ・・・・(-_-;)