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搭乗員の「横着」2009年03月19日 08時24分41秒

ある搭乗員さんが、自分の先輩であり、隊の上官でもある某氏のことを、
「あれは横着モンや」
と評されているのを聞きました。

ママはその「横着モン」の手記を読んだこともあり、搭乗員時代のお顔も知っていたので、
「ええっーー!? あの人、横着な人やったんや~(+_+)」
と、ちょっとがっかりしました。

ママの三省堂新明解国語辞典第2版によると「横着」というのは、
「仕事は積極的にしないで、分け前だけは一人前に主張する様子」
と書かれています。
男として、あまりかっこいい”様子”ではないように思えます。

「横着だ」と言った方にとっても、言われた方にとっても、いい話じゃないよなあ、と思ったので、ここにも書いたらまずいよなあ、と遠慮していました。

最近久しぶりに西澤さんが予科練の先生に語った話を読み返していて考えを改めました。

西澤さんは同期生の実名をあげて、
「あいつは少し横着なところがあった」
と先生に話しています。
そして、
「でも、いざとなったらそのぐらいの方が戦争には強い」
とも言っています。

西澤さんはこの場合、この同期生の横着ぶりを評価しているんですよね。
西澤さんの口ぶりから、搭乗員にとって、「横着」というのは別にワルグチではないようです。
ふだんちょっとぐらい手を抜いても、やるときゃやって成果を出している、という解釈でOK?

ただ、西澤さん自身はどうかというと、いくら「気が重いヤツ」とか「狷介」とか「皮肉屋」と言われようと、「横着」と言われるような性質はないような気がします。
まず「仕事は積極的にしないで」というところから違います。
1回の出撃で5機も6機も落とすような人です。
敵機を見つけたら、必墜。
「今日は気が乗らねえや。帰るぞ」
と、見逃すような人ではありません。弾を持っていなくても行くぐらいですから。

「分け前だけは一人前に主張する」―
西澤さんがめずらしく”分け前”をほしがった「おれは何機落としたらもらえるんかい?」←これは正当な主張であって、横着モノの主張ではありません。80数機落としたら、軍刀の1本ぐらいほしがっても当然だと思います。

というわけで、西澤さん自身はまったく横着モンではありません。
でも、自分がそうではない分、ちょっと横着モンの要領の良さを羨んでいるような感じもします。

横着≒要領がいい≒合理的
無理矢理っぽいですが、こういうことで、決してけなしているわけではない、とママは結論づけました。
辞書で解説してある意味とは微妙に違う、と。

搭乗員の横着、大いに結構、というところ。

日がな一日ごろごろしていて、家事をするわけでもないのに、年に2度のボーナス時だけはしっかりと、
「パパ~、ママにもお小遣いくれ~(^O^)」
↑これこそが、まさに辞書にいう「横着モン」の姿ではないでしょうか!

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