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海軍の至宝 金井昇1飛曹のこと2022年11月24日 10時44分15秒

今年の4月に金井さんのことをブログに書いたんですが。→これ




乙9期、真珠湾攻撃時蒼龍艦攻隊だった島田清守さん(出撃ナシ)の遺品の中にあったこの宴会写真のことです。
真珠湾に出発する直前の16年11月12日、鹿屋翠光園で催された阿部平次郎大尉(兵61)率いる12分隊の大宴会の記念写真です(蒼龍艦攻隊は艦内編制2分隊制←この話、後ほど加賀艦攻隊でも触れるので覚えておいてください)。


この宴会時の金井昇さん(偵35)↓  
左は小紙彰正1飛(偵50、16年12月22日ウェーク島で戦死)、右は佐藤寿雄1飛曹(操26、19年10月17日K406台湾沖で戦死)

金井さんをよく知ると思われる金沢秀利さんが「酒杯を手にせず」と書いていたので、以前ブログに「たぶんしらふで上機嫌」と書いていたんですよね。
今年の4月ごろに実は金井さん、お酒好きだったという情報を得たので、

「たぶんしらふで上機嫌」と書いたことを取り消したいと思います。

→CP「酒を飲んで上機嫌な金井1飛曹」。


と訂正記事を書きました。

<(_ _)>

本当に申し訳ありません。謝罪に謝罪を重ねることになってしまいますが、この件も訂正したいと思います。

お酒好きってのは訂正の対象ではありません。

「上機嫌」。

これを訂正したいです。


あまり詳細に書くとヒトの本の邪魔をしてしまうかもしれないので詳細には書けないんですが。
Oさんの新刊で金井さんのこの時のことが取り上げられているの、みなさん、もう読まれました?

読んだ人にだけわかる書き方で申し訳ないです。
これから読むつもりという方もいるかもしれないので控えめにしておきます。

Oさんの新刊に金井さんの新発見の日記が紹介されています。
金井さんって「海軍の至宝」とか技量人格申し分のない完璧人間のように伝えられていますが、日記を読むと、そうでもない・・・・。
ふつうの人です。
けっしてメンタルが強い人ではないです。ネガティブ思考がすぐ頭をもたげてきて、くよくようじうじ悩んだり。投げやりになってみたり。
ときには「それいまツイッターで書いたら炎上事案だよ」みたいなことも書いています。


日記を読むと、そんな金井さんのメンタルがどん底だったのがこの宴会のあたりだったのではと思われます。

え? そんな顔で笑える?

ってぐらいの目にあった直後。
「目にあった」と書くと金井さんが一方的に被害者みたいな印象ですが、よくよく読むと金井さんにも原因の一端はあったのですが・・・・。でも、このタイミングでこんな目にあう!?ってタイミングですよね。もちろん周囲の人が金井さんののちのスケジュールを知っていて悪意をもってそう仕向けたわけではありません。本当に偶然そのタイミングになってしまっただけだろうと思います。



金井さんのこのときのメンタルに関してはあのブログ記事を書いた直後ぐらいに知らされました。
「全然上機嫌じゃない!(゚Д゚;)」
この件を早く訂正したかったんですが、本が出る前に訂正できないので本が出るのを待っていました。



彼のこの時の心の奥底を思いながらこの写真の笑顔を見るとホントに泣けてきます。
笑えるような精神状態ではなかったのでは?


もっと泣けてくるのはこんなメンタルでよく出撃したな、爆撃を成功させたな、ということです。
繊細な照準が必要な水平爆撃の嚮導機の偵察員です。
彼のメンタルの状態は攻撃隊全体の戦果にかかわることです。
結果だけ見ると最後の最後でやはり金井さんは海軍の至宝たる強メンタルを発揮したってところでしょうか。



真珠湾に向かう金井さんの心模様は実際どうだったのかわかりません。
もう完全に吹っ切れていたのかもしれません。無我の境地というんですか。
いや、日記には書いていないけれど何か別に思うところがあったのかもしれません。
もう永遠にわかりません。



歴史に”もし”はないのですが――
もし、ウェーク島であんなことにならずに無事に帰ってきていたら、金井さんの日記の続きには何が書かれていたのだろう。



軍人さんの日記って、ご遺族のご厚意で何人か読ませていただきましたが、本音と建前の見分けが難しいです。
いや、結局どこが本音でどこが建前なのかわからないです。
もしかしたら本人にもわかっていないかもしれないと思うこともあります。

軍人さんの日記って、完全に個人が自分の内心をヒミツで書く、というものではないです。自分が戦死すれば当然ひとめに触れます。遺品整理の戦友が見てしまうかもしれない、戻された先の家族が見るかもしれない。それ前提で書かれているものです。

なので、それ込みで読むのですが・・・・。

金井さんもどこまで本音でどこまで建前かよくわからない部分もあります。
わたしは、なんとなく、「この部分は金井さんの本心だろう」と思う部分があって、それを思うとこの結末はよけいつらいです。
「どうでもいいんだ」と書いているその部分が本音だったらどんなにいいか。もし本当にどうでもいいと思っていたなら、あの宴会のときは出撃前に全部片付いてせいせいしたぜって気分だったでしょう。でもわたしにはそうは思えない。



金井さんのことに関してはもっともっと書きたいことがあります。
「内容を詳細に書くなよ!(怒)」って人がいるかもしれないので、もうちょっとしてからにします。


※画像は9期生ご遺族ご提供
大島隆之『真珠湾攻撃隊 隊員と家族の八〇年』講談社現代新書

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