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操偵適性検査 個人写真2016年10月16日 13時32分33秒

「予科練」と聞くと、少年たちが飛行機の訓練をするところ――と誤解されている方がいるかもしれませんが、正確に言うと予科練時代は飛行機に乗る機会はほとんどありません。

海軍軍人として、体を鍛えたり、心を鍛えたり、頭を鍛えたりするところです。

乙飛の9期だと、13年6月から15年11月いっぱい、そんな生活をしています。


実際、飛行機に乗って搭乗員になるための訓練を始めるのは15年12月から。
飛行練習生――飛練の課程に入ってからです。



予科練から進む搭乗員は大別して操縦員と偵察員(電信員含む)です。

予科練に入った当初はほとんどの少年たちが操縦員志望なんだとか。
たまに最初から偵察員志望という人もいるみたいですが、ごくごく少数だそうです。
予科練外史に8期で最初から偵察を志望していた人の名前が何名か挙がっていましたが、9期にもいたのかな? めっちゃ知りたいですけど。
現時点で「この人は最初から偵察員志望だった!」って人は、一人も知りません。

みんなの希望がそのまま通ればいいんですが、そういうわけにもいきません。
200名弱いて、たとえば操縦志望190名、偵察志望10名だったとしたら著しくバランスを欠いてしまいますからね。

どうしても、操縦志望の中から偵察員にまわされてしまう人が出てきます。
偵察任務の重要性がわかっていても激しくショックを受けるそうです。

その、「操縦か」「偵察か」を決定するのが、入隊ほぼ1年後に行われる操偵適性検査です。
実際に飛行機に乗って、操縦の適性があるか、偵察の適性があるか、振り分けられます。
本格的に飛行機に乗るのは予科練中ではこの機会だけです。



海軍は何かにつけてよく記念写真を撮っているようですが。
もちろん操偵検査の間にも撮っています。
分隊集合写真、班集合写真・・・・。

そして、予科練生を練習機の前に一人ずつ立たせての記念撮影。

おそらく、家に送ってお父さんお母さんに見てもらいなさい――ってことでしょう。

本人たちも誇らしげな顔をしています。

9期生の操偵検査個人写真、何枚かあるので出しますね。
班順で。

加藤哲夫さん
艦攻操縦

坂田清一さん
艦爆偵察

隅倉慧さん
水偵偵察

大西要四三さん
戦闘機操縦

岸川正人さん
中攻偵察

萩谷幾久男さん
艦攻偵察

大石芳男さん
戦闘機操縦

藤原国雄さん
中攻偵察

国本力さん
中攻偵察

河村徳市さん
中攻操縦

池田和義さん
艦爆操縦

池本忠清さん
中攻偵察

笠井繁雄さん
水偵偵察

篠原藤市さん
中攻偵察

清水巧さん
艦爆偵察


萩谷さんと篠原さんは練習機と一緒に写っていないのですが、装備から操偵検査時の写真と判断しました。




国本さんまでが前の分隊で、河村さんからあとが後ろの分隊です。
飛行機や人物の影を見てもらったら、前の分隊が撮影した日はあまりお天気が良くない日で、後ろの分隊が撮影した日はお天気が良かった日であることがわかります。

所属が確認できるのは「ツ」――筑波空の練習機です。

坂田さんと大石さんの背後の機体、隅倉さんと加藤さんの背後の機体、藤原さんと国本さんの背後の機体、河村さんと清水さんの機体はそれぞれ同一機体ではないかと思われます。
坂田さんと大石さんの機体の背後には同じおじさん(カメラマン)が写っています。たぶん、あっちでも別の機体を使って練習生の記念撮影をしているのでしょう。


自分以外の操偵検査個人写真をアルバムに貼っている人、けっこういるんです。
交換とかしたんでしょうね。
たぶん「おれの写真、(かっこいいから)やるわ」と言ってあげたのか、「お前の写真、(かっこいいな、)くれ」と言ってもらったんでしょうね。


※画像は9期生ご遺族、ご家族、雄翔館ご提供

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