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乙9期 菊地平さん2020年02月15日 15時19分58秒

東京出身、偵察。
飛行艇。


横須賀入隊時の氏名入り班写真。8班。



水泳大会優勝の記念写真。2組(5~8班)





霞ヶ浦時代、萩谷さんと同じ班。


おもいで
「浮世絵の中から出て来たような、君の顔だった。その顔に宮本一と高級化粧クリームをつけたり、下級生をいぢめたり何かにつけて、同期生中の有名人になっていた。佐世保で大型講習中髪をのばして俺と一緒になぐられたナア、俺がチモール島からヤルートに転任途中太平洋の真中に不時着三日四晩も翼だけ残った飛行機であの荒浪の中を飲まず食はずで漂流した時、最初に見つけて船を誘導し俺を助けたのが君だった、そのスポンソンからのり出した、そして「今助ける」とかいた手旗信号、永遠に忘れられぬ君だ!!」

「君のどこにあんなファイトがかくされていたのかネ」

「よくいいわけをしては、上村教員から怒鳴られていたっけ」

「土浦では同班だったのでよく外出したね、彼女にも紹介されたっけ。今でも一番懐かしく思い出す」




飛練鈴鹿。
奈良行軍、橿原神宮の北神門。


飛練博多。

卒業時の集合写真。



大型機講習佐世保時代。

この写真と下の写真は生存者の石田勝さん(上画像後列右端)のアルバムに貼られていた写真です。
9期の大型機(飛行艇)専修者たちの集合写真です。
博多卒業時に比べ、ずいぶん軍帽が変形しているようです。



こちらは9期生と予備練10期生たち。詳細はこちら



「おもいで」の一番上の回想は同期飛行艇偵察員の斎藤理吉さん(戦後生存)の回想です。
島田清守さん(左)と一緒に写っている帽子の人です。

斎藤さんが遭難したときのことは生存者の本間猛さん(旧姓・石塚)も手記『予科練の空』に書いています。

17年4月28日、東港空の斎藤さんたち2機が石塚さんや菊地さんたちのいた14空・ヤルート基地に増援隊としてやってくる予定だったのですが、悪天候のため遭難してしまいます。
翌日から遭難機の捜索。

『レシーバーをかぶっていた小川兵曹が、ニコニコ顔で電文を機長の田口分隊士に見せている。のぞいてみると、二番捜索機が、大破してただよう不時着機一機を発見したという傍受電報である。
「オーイ、一機見つかったぞ」と、田口分隊士が、みんなに電文をかざす。
二番機の偵察員は、同期の菊池平(東京)のはずである。平、よくやったと嬉しくなった。つづいて、不時着機搭乗員全員無事が入電する。みんなよろこび、急に話がはずんだ』

その後も捜索を続けますが、あとの一機は発見できませんでした。むなしく帰投。

『今日二十九日は四大節の祝日である。海軍では祝日は休業で、昼食に御馳走とお酒が出る。早朝からの飛行で、みんな腹をすかせて帰着したが、不時着機を発見した菊地も帰って来たので、酒と御馳走にありつきながら、不時着機発見の模様をたずねた。菊地は、「不時着機に斎藤がいたぞ。同期生を救うことができた今日は、まったくよい祝日だ」と前おきして、つぎのように語りだした。
――発進後、一時間四十分も飛んだろうか、行くて遥かにチカッ!と光るものを認めた。瞬間、飛行機の風防の反射だと直感して、機を誘導していくと、まぎれもなく漂流している飛行艇である。
上空に近づいて見ると、飛行艇は後半部がない。着水時の衝撃で、折れて吹っ飛んだのであろうか。われわれが現場につくと搭乗員は、みな翼の上に出て帽子を振り、上衣を振って喜んでいる。
高度を下げて不時着機のまわりを旋回しながら、腰から下をサブ偵にしっかりつかまえさせて、艇首偵察席から体を半分乗り出して、手旗信号のやり取りがはじまる。
「負傷者なきや」
「総員異状なし」
「浸水なきや」
「浸水あり、交替で排除しつつあり」
「救助艦急行す、頑張れ」
「有難う、感謝す」
よく見ると、手を振っている仲間に、同期の斎藤がいる。
「斎藤頑張れ、われ菊地」と、やると、
「元気なり、有難う」
こうして菊地は、烈風に煽られて冷や汗をかきながら交信し、彼らをはげましておいてから、応急食糧を投下し、帰途についたという。』



翌日、神威に救助された斎藤さんたちがヤルートに到着。
が、残念ながらもう1機は見つからず全員が戦死認定されたそうです。
斎藤さんが上陸した晩、菊地さん、皆川彰さんと石塚さんで斎藤さんを囲んで生還祝い兼クラス会をやったそうです。






17年8月27日  14空  ソロモン



任務は「損傷敵空母捜索」。
0520 ラバウル基地発進
0930 我空戦中ノ電ヲ発シタルモ離脱セルモノノ如シ
1229 敵見ユ ノ電ヲ発ス
1235 我空戦中ノ電ヲ発シ爾後連絡ヲ絶エ遂ニ帰還セズ 自爆セルモノト認ム





※画像は9期生ご遺族、ご家族ご提供

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