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『空の少年兵』10期篇2015年04月18日 11時03分57秒

『空の少年兵』、予科練での訓練シーンの中に、カッターを漕いでいるシーンがあります。


そこにひときわ目を引く練習生がいてですね(^^;)

お顔がけっこうはっきり映っています。

が、櫂を漕ぐのに気合が入りすぎて顔がヘン顔?というか金剛力士像顔になっていて、集合写真のお顔とは相当かけ離れたお顔になっているものと思われます。

が。

「福森大三さんに見える!」

んです。

予科練時代。

福森さんは乙10期。岡山県出身。
戦闘機搭乗員で台南空・582空。
18年6月16日ソロモンで戦死。


「たぶん福森さんだよなー」

と思いながらスロー再生で確認していたら、このシーンの最後の方で、福森さんよりもっとはっきりお顔がわかる人が画面左下に映り込みました!( ̄▽ ̄)


同じ10期の艦攻操縦の遠藤勇次郎さん!

映像の人は疑う余地なく遠藤さん。
20年3月21日 701空、串良基地から出撃、戦死。

春海にも見てもらいました。

あの子はいつも同一人物でも、
「違う人ちゃうん?」
と言う子ですが、さすがにこの遠藤さんは、
「同じ人に見える」
と言ってくれました。


というわけで、このカッターのシーンは10期生\(^o^)/

『空の少年兵』と隊内帽2015年04月18日 16時33分43秒

『空の少年兵』の撮影って、いつやったんでしょうね?

ネットでちょっと検索してみたところ「製作年度 1940」(昭和15年)というのと、「昭和16年度文部大臣賞受賞」ってのがありました。

ここから想像するに、うつっているのは15年以前の予科練ってことでしょうかね。

映像の中に何かヒントはないかな?
と思って探してみたのですが、まず、冒頭の入隊のシーンで軍帽のペンネントが映ります。

「霞ヶ浦海軍航空隊」

横須賀から霞ヶ浦に予科練が移転したのは14年3月。
霞ヶ浦から土浦に移転したのが15年11月15日なので、この入隊シーンはその間の撮影ということになります。

また、9期生が3学年の名札をつけた状態で出てくるシーンがあるのですが、9期生が3学年ということはそのシーンは15年6月1日以降です。



昨日書いた池田さんや羽藤さんが出ているシーン。
あのシーンで注目したのが「隊内帽」です。

9期生が入隊したときには隊内帽はありませんでした。

羽藤さんがかぶっているコレ↓、これが隊内帽です。

『予科練外史』にこんなことが書かれていました。

「九期生が艦務実習から帰隊して約一ヶ月後、昭和十五年五月二十五日(土)起床時から、土空では練習生全員が隊内帽をかぶることになった。形は陸軍の戦闘帽に似ているが白色である」

倉町先生は「土空」と書いていますが、当時はまだ霞ヶ浦航空隊なので「霞空」の間違いでしょう。

そこはどうでもいいです。
問題は「昭和十五年五月二十五日」です。
予科練でこれをかぶり始めたのは15年5月25日からだという、ここです。

このへたくそな絵ではわかりにくいかもしれませんが、映像の中のかれらは隊内帽をかぶっています。
なので、この映像もおそらく15年5月25日以降撮影。


昨日はうつっているメンバーから、
「2学年班か?」
と推測してみたわけですが、かれらは6月1日に3学年に進級するので、もし、「隊内帽」「2学年班メンバー?」を考慮すると撮影期間は15年5月25日~5月31日というごく短期間に限定されてしまいます。
どうかな?(^^;)




しかし、学年の進級日時にはわたしは疑念を抱いていてですね・・・・。

というのも、この写真の存在です。
さっき上に出した隊内帽姿の羽藤さんが写っている元写真です。

「昭和15,5,30,ラグビー優勝」
と書かれています。
日付的に隊内帽は大丈夫なのですが、名札がすでに3学年の名札なんですよね(羽藤さん画像参照)。
5月31日までは2学年じゃないのー?(^^;)

石川さんの記入した日付けが間違っているのか、九期生名簿に書かれた3学年進級日が間違っているのか。

あと、この写真も厄介な写真です。

操縦専修生の整備実習のようです。
帽子は以前からの兵用の軍帽です。
アップ部分は安達繁信さん(左)と池田和義さん(右)ですが、名札に注目!
3学年の名札です(;^ω^)

「整備実習時は特別に兵用の軍帽だったんだろうか?」

いやいや、10期生の操縦専修生の整備実習時は隊内帽をかぶっています。
手前二人は岩尾正雄さん(艦攻操)と竹内通さん(戦闘機)です。

ちなみに朝アップした10期のカッターのシーンですが、そこも隊内帽をかぶっています。


隊内帽の便利な点は「庇があるから着脱に便利」な点と、「風が強くても飛んでいかない」点、「折り曲げてポケットに収納できる」点だそうで。

外で作業するときなんてうってつけの帽子です、顎紐がついているので。

なので、9期生も整備実習時にもし隊内帽が支給されていたら使うと思うんですよね・・・・。
でもなぜか兵用の軍帽・・・・。でも名札は3学年(隊内帽は支給されているはず)・・・・。


3学年名札の上記の矛盾はいつか解決するんだろうか?(^^;)


余談ですが、隊内帽と似ている帽子は以前からありました。
名称は知りませんが、体育の授業?時にかぶる帽子です。さしずめ体育帽ってことろでしょうか(笑)
これは運動会時の9期の操縦専修生(左、舞鶴)と偵察の伊藤誠一さん(右)です。

隊内帽とどう違うかというと、海軍マークの帽章の有無と、顎紐の有無でしょうか。
(帽子本体の形も違うようですけど)
隊内帽は10期整備実習写真を見てもらったらわかると思いますが、顎紐付きです。
体育帽の方はわたしが写真を見た限りでは顎紐らしきものは見当たりません。






予科練の名札についてちょっと。
予科練の名札は中央に姓が縦書きされています。
その両側に学年分の横線が入っています。羽藤さんの名札は名前の両側に横線が3本入っているので3学年です。

ちなみに乙飛と甲飛でこの線の色が違っているらしく(K上飛曹ご教示)、乙飛は青、甲飛は赤だそうです。
ラグビー写真の羽藤さんの名札はこんな感じではないかと。

『空の少年兵』にも何度か「3学年の名札」をつけた人が登場しますが、画質が粗くて姓の判別はできないし、白黒なので青(乙)か赤(甲)かもわかりません。
ただ、わたしはお顔から判断して、「あ、これは乙9期生だな」「見たことないお顔だ、甲飛生かな」と・・・・。

10期生は年譜はあるのですが、そこには学年の進級に関しては書かれていません。
9期生が、階級が1空に進級したと同時に3学年になっているので、10期生も同じだとすると15年11月1日ということになります。
9期生の卒業が11月30日なので、ひと月ほどは9期生と10期生が同時に3学年だったことになります。



『空の少年兵』の中に卒業シーンが出てきます。
あれもわたしは9期生ではないかと思っています。
ちょっと自信がないですが、卒業生のお顔がアップになるシーンにうつっているのは9期の偵察専修生のような?
だとしたら15年11月30日ですかね。
たとえ9期生でないとしても、後輩たちの居並ぶ中、堂々と行進して卒業していく姿、ステキですよね~。


話が逸れまくってスイマセン。


わたしが映像を見た感じで推測してみたところ、予科練シーンは15年春ぐらいから秋にかけて撮影したんじゃないかな?

飛練シーンでは「○○さんだ!」とわかる人はうつっていないようです。

※画像は9期生ご遺族、久保伊勢市さんご提供