ひねもすのたりのたりのたり

何日か前に一度出したこの写真。

松本勝正さんのご遺族提供の写真を武田信行さんから見せていただいたものです。

その後、ちょっとこの写真に関して判明したことがありました。

乙９期・飛練１０期の操縦専修のうち、筑波・谷田部にわかれたうちの「谷田部組４３人」ではないのか。

という情報を知人からいただき、思い当たることがありました。
別の乙９期生の集合写真も見せていただいているのですが。それはオリジナル写真ではなく、コピーでした。元の持ち主は、乙９期の別の戦闘機乗りのご遺族の方。
そこから、ママのところに回ってくるまでに、どこかの段階で付箋がつけられたようで、それも一緒にコピーされていました。
その付箋に「乙９期」「飛練１０期」「操縦専修」「谷田部配属」って書かれてありました。

「ああ、あれか！」
と思い出し、人数を数えてみたところ、飛行服の写真と同じ４３名。

判別できたお顔も、同じお顔の方たちが写っているよう・・・・。

というわけで冒頭の写真、乙９期の飛練時代（操縦）、谷田部空での集合写真、ってことになりそうです。



写っている方々のうち、顔とお名前のわかる方。

松本勝正練習生（愛媛）。
中攻操縦から戦闘機に転科。台南空、６空、筑波空、戦闘３０３。

羽藤一志練習生（愛媛）。
千歳空、（４空）、台南空。

遠藤桝秋練習生（福島）。
艦爆操縦から戦闘機に転科。台南空、２５１空。

木村裕練習生（千葉）。
千歳空、４空、台南空。

この方たちはお顔から判別。
ママ、春海のママ友やテレビに出ている芸能人の顔を覚えるのはチョー苦手ですが、この人たちのお顔判別にはちょっと自信があります（笑）。
いや、笑っている場合じゃないぐらい、写真見て鍛えました。耳とか肩紐が夢に出てきそうなぐらい。あ、お顔もちゃんと見ています。
本当に夢に出てきてくれたらいいんですが、なぜか出てきてくれません。


あと、「お顔から判別」ではなく、いろんな角度から研究？してようやく判明した方。

大西要四三練習生（滋賀）。

台南空に関心がある方ならすぐにピンと来ると思います。（武田さんご提供）

この写真の、最前列左端にあぐらをかいて座っているのが大西要四三３飛曹です。
※ちなみに乙９期は他にも木村裕３飛曹（後列左から３人目）、遠藤桝秋３飛曹（後列左から４人目）、熊谷賢一３飛曹（前列真ん中）、中野鈔３飛曹（前列右端）が写っています。

いままでも乙９期の集合写真で台南空の乙９期を必死で探していたのですが、大西さんのこの写真はうつむき加減＆目元が不明瞭で、お顔の印象がつかみきれておらず、探し出せませんでした。

今回、ようやく・・・・ようやく、大西さんのお顔がわかりました（涙）

１枚正面からの写真が見つかると、次々見つかるわけで・・・・。
台南空写真の方では座っているのでわかりにくいですが、飛練時代の集合写真を見る限り、かなり大柄な方です。遠藤さんや木村さんと同じぐらい？

どうやって大西さんにたどり着いたかは、書きだすと数行では終わらないので、今回はやめておきます。


さらにもうお一人。

森田勝練習生（北海道）。
３空。

『日本陸海軍航空英雄列伝』によると、「片翼帰還の勇士」。

敵飛行場銃撃中に、対空砲火で乗機の左主翼の先端部分（ピトー管から先ぐらい）を吹き飛ばされたものの、３時間かけて単機で基地に戻ってきた、という方です。

森田さんも、その片翼の零戦の前で撮られた記念写真（？）を見たことがあったのですが、とても”お顔がわかる”状態の写真ではありませんでした。

このお写真、胸元から「森」という字が見えているでしょう？
乙９期には「森」何とかさんという練習生が全部で５名いて、そのうち確実に４名が操縦専修のようなのですが、いろいろやっているうちに何とかこの方が「森田勝さん」であると結論づけられるに至りました。

”いろいろやった”過程は書き出すと終わらなくなるので、今回はやめておきます。



さらにもうお一人。

久米武男練習生（佐賀）。
台南空・・・・三亜空。

三亜空教員時代、堀さんや吉田一平さんと一緒に零戦受領に内地に戻ってきて、横浜の宿でたまたまエンタツ・アチャコと同宿になり、お話をした上にサインまでもらった・・・・というあの久米武男さんです。

台南空の行動調書にもお名前が出てくるのですが、集合写真では「これが久米さん」というのがなく、残念ながらいままでお顔はわからずじまいでした。

久米さんの判明過程は単純です。
胸からのぞいている名札に、「久」って書いてあります。
乙９期で他に「久」何とかさんはいらっしゃらないので、たぶん、これが久米武男さんだろうと。

他の人も、胸元のこの名札や、救命胴衣の胸に名札をつけているのですが、読める人はごく一部です（読めても一字とか、文字の雰囲気だけ）。

他に数名、
「もしかして、○○さんでは・・・・？」
ぐらいのところまで接近できている練習生もいるのですが、まだ確信が持てないので、今回はここまで。