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増槽2010年11月23日 14時14分28秒

前に、「増槽は落ちるときは縦回転しながら落ちるらしい」という話を書きましたが、今日は別の話。

時々覗いているサイトに、零戦の操縦席の増槽落下確認窓の話題が出ていました。

それを見て、忘れていたことをハッと思い出しました(と言っても、中途半端に)。

前の搭乗員さんの会合の時も、若い人の間でこの話題が出たのです。

「零戦の操縦席の足下には、増槽が落ちたかどうかを確認する窓があるらしい」
と。

知らなかったので、
「へえ~」

「でも、搭乗員さんに聞いても、あまり覚えている人はいないみたい」
って話だったと思います。

増槽を知らない方のために参考画像。
国立科学博物館の零戦です。


胴体の下(操縦席下)にある、一見爆弾みたいな形のタンクが、予備の燃料を入れる落下増槽です。


空戦するときは切り離し可。

ということは消耗品なわけですが、いま読んでいる彗星の操縦員の手記には、「(作戦中に)カラになった増槽を基地まで持ち帰って整備員に喜ばれた」って話が出ていました。
物資が不足してきていたんですね・・・・。



零戦にはこのタンクが落ちたかどうかを確認するための窓が操縦席の足下にあるらしい、というのが前回の搭乗員さんの会合時に出た話題です。

ママはあれ以降、零戦の実物を見に行く機会もないし、それがわかる写真も見ていないので、その窓の実物とやらはいまだに見ていません。


ただ、この窓、ないと困るモノでもないらしく。
搭乗員さん曰く、
「(増槽が)落ちたら、わざわざ見なくても衝撃でわかる」
とのこと。

機体がふわっと浮くような感じ、と言われていたかな?
(メモしてないので、ママの頼りない記憶のみです)


いま作っている1/72の増槽。

零戦の落下増槽(1/72)

上のやつ、懸吊装置みたなの(V字)、どっか飛んで行ってしまいました。

せっかくヤスリでコシコシしたけど、もう、増槽なしで。


『彗星艦爆一代記』富樫春義2010年11月23日 20時52分14秒

乙15期出身の艦爆操縦員、富樫春義さんの手記を読みました。

予科練、飛練を卒業したかれは、503空で彗星の操縦員になります。

分隊長・朝枝国臣大尉(兵68)の話がたびたび出てきます。
訓練で無茶をしたときに、
「危ない飛行はやめるんだぞ!」
と叱られたこと。
戦地で、油漏れのため着陸がうまくいかず隊長に飛行止めを言い渡されたときに、自分に代わって朝枝大尉がわびを入れてくれたこと・・・・など。

こんな分隊長がいたら、「ついていきます!」と誓っちゃうなあ~というような人です。

話が、19年6月3日(4日?)で、突然終わってしまうんですよ。

この日、富樫兵曹は朝枝大尉指揮の下、敵艦隊攻撃に向かうのですが、攻撃後、被弾して海上に不時着水してしまいます。
ペアの偵察員・足立原健二兵曹と何とか頑張って陸地にたどりついた・・・・というところで手記が終わってしまっていました。

「503空の彗星隊はこの後どうなったのだろう?」

すごく気になる終わり方をしてしまったので、自分で調べてしまいました。


19年6月12日 「ビアク」島附近敵艦艇攻撃
  操縦員       偵察員
朝枝国臣大尉   菅野勝夫上飛曹  未帰還
二村友吉上飛曹  板倉徳重上飛曹  未帰還
村上明上飛曹   須坂明智1飛曹   未帰還
前田富雄飛曹長  森村浩一上飛曹  未帰還
宮嶋嘉造1飛曹  平山武昌上飛曹  未帰還
大原左刺1飛曹  小林耕介1飛曹   

敵巡洋艦2隻に被害を与えたものの、出撃6機中5機が未帰還・・・・。

あの人もこの人も富樫さんの手記に名前が出てきた方です。

この日の隊の衝撃はいかほどだったか・・・・。想像しただけでこっちが泣きそうになりました。