ひねもすのたりのたりのたり

今回の米兵による女子中学生暴行事件には、沖縄だけではなく、日本中が怒っているのかも知れません。
でも、ママだけは、一人の母親として、ちょっと待てよ、なのです。

少女が犠牲になった事件を聞くとたしかに胸が痛みます。
でも、自分は母親なので、その事件を考えるとき、まず、春海がそのような事件に巻き込まれるかどうかという基準でその事件の怖さ・身近さを考えてみます。

数年前、立て続けに起こった小学校低学年児童が犠牲になった性犯罪事件、あれなんか身震いするほどおそろしかったです。
登下校時に無力な児童が無理矢理連れ去られる―春海が犠牲者になってもおかしくない事件だったからです。

でも、中には、うちには関係ない、と思うような事件も多いんですよね。
たとえば、数ヶ月前、横須賀で未成年の少女が米軍人に刺された事件、岩国でクラブでナンパされた米軍人についていって乱暴された少女の事件・・・・。
これは米軍とか基地とか、それ以前のモラルの問題ではないのかな、と娘を持つ母親としては疑問を持ってしまいます。たまたま相手が米軍人だったので国を挙げての問題になっているけど。
もちろん、加害者の悪意がないと犯罪は成り立たないと思います。ただ、被害者に油断というか、落ち度はまったくなかったのか、普通にまじめに生活している少女でも巻き込まれる可能性のある事件なのか、それを考えてしまいます。
犯罪の起こった時間帯や場所から考えると、横須賀の事件も岩国の事件も、今回の沖縄の事件も、仮にパパママ一家がその地域に住んでいても巻き込まれる可能性はないと思います。

米兵が絡んでいない事件でも、最近よく、子供が携帯の出会い系サイトでどうたらこうたらって事件を聞きますが、
「親は何しとんねん」
って事件が多すぎませんか？
みなさん、もう小学校に入ったら子供は放し飼いなんですかね？

子供が乱暴されて怒る前に、夜、子供だけで繁華街をうろつかない、とか、知らない人にはついていかない、知らない人の車には乗らない、という当然のことをもう一度教えた方がいいんじゃないでしょうか。
怒るのも大事ですが、その前に省みる点は全くないのか。自分は犯罪に巻き込まれないための１００％の努力をしていたか、行動をしていたか、それをもう一度考えた方がいいんじゃないでしょうか。

日本はどうなってしまったのでしょう。

わたしは宮崎市内の県立高校に通っていたのですが、そこの高校、いまから考えるとかなり変わっていました。

「Oは天国、Mは監獄、Nは地獄」
と言われた県立３校です。ちなみにうちは「地獄」だったようです。なんだか「鬼の宇佐空」みたいですね。
さすがに山下大尉はいなかったですが、先生たちがそろいも揃って甲板士官のような人たちばかりでした（甲板士官さん、失礼しましたっ！）

校則がとても厳しかったのですが、画像に出しているように髪型にすら介入してくるような高校でした。
女子は、前髪は眉にかかったらダメ。後ろは制服の襟にかかったらダメ。かかったら黒いゴムで結ぶ。もちろん、パーマや茶髪なんて問題外です。
男子は坊主か刈り上げ。耳に髪の毛が当たったらダメという規則もありました。

月に一度「容儀検査」という行事がありました。
一クラス全員カバンを持って廊下に出されます。
学年中の先生たちが集まって、一人一人容儀をチェックするのです。
髪型はもちろん、制服の着こなし、スリッパの記名位置、カバンのチェック（シールとかマスコットとか薄さとか）。爪もされたかな？

夏場は女子はこれに下着チェックが加わっていました。さすがにこれは宇佐空の甲板士官ですらやらなかったのでは？
女教師が女子生徒一人ずつ、スリップを着ているかどうかチェックするのです。「余計なお世話じゃ」って思いますが、当時は反発もせずこの検査を受けていました。ただ、いまだにこの検査の意味がわかりません。ブラジャーが透けて見えないようにということだったのか、汗をかくから化繊のブラウスの下にもう一枚着ておきなさい、という意味だったのか、いまだに謎です。

容儀検査時のことで、までも印象に残っているのは、野球部の坊主頭の子が頭髪検査で落ちたことです。なんでも、坊主がちょびっと伸びて耳にかかっている毛があったらしいのです。かれは再検査にまわされました。
もう一つは、やはり男子ですが、前髪が一本だけ眉を超えて伸びていました。「不合格」と言われ、その子は「いまここで抜きますっ！」と言ったらしいのですが、後日の再検査にまわされました。

お笑いのネタか、と思われる方もいるかも知れませんが、これ、事実です。

こんな高校を当然と思って通っていたので、大学受験で初めて外の世界を見たときは衝撃でした。
髪の長い（首が隠れているって程度ですが）男子生徒や髭を生やした男子生徒、また試験の休憩中にたばこを吸っている浪人生らしき受験生を見て、ママはとっても動揺したのを憶えています。