ひねもすのたりのたりのたり

いままで何人かの９期生の遺品を見せてもらいましたが、本人が使っていた「モノ」が残っていた人って、ほとんどいませんでした。

写真、アルバム、実家に宛てた手紙・・・・は残っている人がいました。







いままでにわたしが見せてもらった「モノ」といえば。

石川茂さん（中攻操縦、１７年２月２０日　ニューギニア沖航空戦）、軍帽。

内側に佐世保軍需部の札がついているんですが、「十七年四月」と記入してあります。
石川さんの戦死後です。佐世保で石川さんを含む戦没者の海軍葬が行われた月です。
下士官の軍帽は官給品のはずで、戦死後は軍に返しているはずですよね・・・・。
石川さんのところには遺品目録もありましたが、目録の中に「軍帽」はありませんでした。
本人が使っていたものではないのでしょうかね・・・・。




池田和義さん（艦爆操、１７年７月１０日　マカッサル海峡）のところに、支那事変従軍記章がありました。

９期生は１５年３月４月の艦務実習が支那事変に従軍したとみなされ、これをもらっています。
履歴をとってくださった方は、みなさん、もらった記録が残っています。
が、わたしが実際に見たのは、池田さんのものだけです。
先日うかがったときに島田さんの支那事変従軍記章も探してもらったのですが、見つかりませんでした。




萩谷幾久男さん（艦攻偵、１９年７月２４日　占守島）が手旗信号法のパンフレットみたいなものを残していました。

写真、手紙以外の遺品というのは、これぐらいでしょうか。







なので島田さんのところで遺品を見せてもらったときにはたいへん驚きました。

島田さんが実際に使っていたものがあまりにもたくさんあったので。



そのうちの一つ。
氏名スタンプ。

縦書きのスタンプと横書きのスタンプがスタンプ台と一緒に紙に包まれていました。




実際にこのスタンプが押されたものも残っていました。偵察飛練のテキスト。

第一〇期　飛行練習生
（官氏名）　島田清守




瑞鳳から戻って来た遺品目録の中にも「スタンプ　一」というのがありました。
これはスタンプ台のことを指しているのか？
「印判　三」の中に、氏名スタンプ２が含まれているのか？

石川さんの遺品目録にも「印判」は「四」とありました。
ハンコだけで４というのはちょっと多い気がします。もしかしたらこのタイプのスタンプを持っていたのかも。


※遺品は９期生ご遺族所有（撮影はわたし）