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海軍練習航空隊 腕章に関する一考察2016年06月12日 19時34分39秒

練習航空隊の写真、

「教員が飛行服に腕章をつけている写真があるよなあ」

といままで漠然と見ていました。


先日、大澤さんへの手紙に、練習航空隊の教員って左腕に腕章というか紐を巻いていますよね、みたいなことを話題にしてみたところ、大澤さんから意外なお返事。

練習生は青い腕章を巻いていたけど、教員が巻いていた記憶はないなあ

とのこと。

「何っ!?Σ( ゚Д゚)」

これで火が付きました。

調べてみよう――――。




【大澤さん】
まず大澤さんですが、43期操縦練習生時代の教員と練習生3人のペア写真。
ご自身は左腕に腕章を巻いておられました。写真ではわからないのですが、これは青い腕章なんだそうです。
教員は・・・・と見ると、教員(2空曹)も腕章を巻いていました(^^;)

あと、操練時代の総員の飛行服集合写真と思われる写真(2枚)も、教員も練習生も腕章を巻いているように見えます。

あと鈴鹿空で教員をされていたころの飛行服集合写真もありましたが、これは教員も練習生も腕章を巻いている人はいません。


大澤さんに、
「大澤さんの操練時代の教員さん、写真で見ると腕章を巻いているようなんですが・・・・」
と手紙に書いたところ、
「わたしも筑波空教員時代に赤い腕章を巻いていたような気もする・・・・」
と。

ほー。



【西澤さん】
これ、たぶん、霞ヶ浦での練習生時代のペア写真だと思うんです。
13年の8月15日に予科練を卒業しているので、それ以降の半年間ぐらいでしょうか。


教員の腕章。


西澤さんの腕章。
ちなみに名札には「一空」「西澤」の文字が。



教員もペアも顔ぶれが違いますが、やはり同じ霞ヶ浦での練習機教程かな?

教員の腕章。

右端の練習生?の腕章。
・・・・なんですが、この人、西澤さんたちと違って飛行服に名札をつけていないんですよね。
乙7の練習生ではないのかな?
7期はお顔を把握できていないので、この人が7期生なのかそうでないのか判断できません。

名札をつけているお二人、左の人は左腕に腕章を巻いています。西澤さんは左袖部分が見えず、腕章の有無が確認できません。たぶん巻いているでしょう。


【中西さん】
クロちゃんこと中西義男さん(乙6)の岩国空教員時代。練習生とのペア写真だと思われます。
練習生は操練51期か?
操練51期だとすると14年末から半年ぐらいの間か。クロちゃんの階級章が2空曹に見えるので15年5月1日以降かなあ?

クロちゃんの腕章。

練習生の腕章。
ただ、これ、腕章なのか、名札の一部としての紐なのかイマイチ判然としません。
岩国の練習生たちはみんな左袖にこの名札をつけています。
腕章だけの人や名札だけの人がいないので、一体化したものではないかと考えています。

先日出した、豊田耕作さんと一緒に写った操練51期集合写真のクロちゃん。
3空曹の階級章の下に腕章をつけています。




【飛練10期生】
飛練10期谷田部における中練教程。
15年12月~16年5月。

下士官一種の人は教員だと思われます。他にも腕章を巻いている下士官一種の人がいます。巻いていない人もいます。

練習生の方も――写っているのは西山昇さん――巻いていますね。

と言いたいところですが、全員ではないです。
左袖が写っていない人もいるのではっきりしたことは言えませんが、「巻いていない」と断言できるのは、大西要四三さん、羽藤一志さん、今村文三郎さん。
なぜこの人たちが腕章を巻いていないのかはわかりません。


谷田部のペア写真。
ここに写っている練習生、西山昇さん、新井正美さん、池田和義さん、田中茂雄さん、鹿島長重郎さんは、みなさん腕章を巻いています。

教員の腕章。

池田さんの腕章。




おもしろいのは筑波です。
これは飛練10期、筑波組の集合写真ですが、あまり精細ではありません。
なので、よくわからないのですが、見た感じ、練習生で腕章を巻いている人はいません。
教員は巻いている人がいます。

こんな感じ↓
後ろが練習生の杉本栄さん、前は教員。森鳰さんかな?


もっと精細なペア写真で見てみましょう。
加藤哲夫さん、井原大三さん、後藤龍助さんのペア。
イス席は空曹長です。教官です。


実は・・・・指導側で腕章を巻いているのは下士官の教員だけなんですよ!
准士官以上(空(飛)曹長、少尉、中尉、大尉・・・・)の教官はどの写真を見ても腕章を巻いていません。

後藤龍助さん。
腕章なし。

森浦東洋男さん、大正谷宗市さん、亀山一郎さん、山口浜茂さんペア。
教員は森鳰英雄さん。

森鳰教員は腕章あり。

左袖が見えている山口さん、腕章なし。


大石芳男さん、高島巌さん、阿部健市さん、上原定夫さんのペア。
教員は山岸昌司さん。

山岸教員の腕章。

上原さんの袖。腕章なし。


飛練10期練習機教程に関しては、谷田部は教員も練習生も基本的にはみんな腕章ありです。同じ腕章ではなく、素材が違うとか、質感が違うとか、色が違うと か、そんな感じがします。練習生の方が細くてぺろぺろしているような気がします。「腕章」というより「紐」といった感じでしょうか。教員の方が若干太くてしっかりした素材のように見えます。
集合写真で腕章を巻いていない練習生が数名いますが、検討課題です。

筑波は、教員だけがしっかり素材の腕章を巻いています。練習生が巻いている写真は1枚もありませんでした。



こうなると、
「筑波が練習生に腕章を巻かせていないのは、飛練10期だけだろうか。それとも他のクラスも同じなのだろうか」
ということが気になり始めました。


それで他クラスの写真を探していました。

ありました。

それが、先日書いた谷水竹雄さん(丙3、飛練17期)の練習機教程時代の集合写真です。
息子さんにスキャンしていただいた分です。
16年夏~年末頃でしょうか?

練習生たちは誰も腕章を巻いていません。


教員は・・・・左・木村重雄教員、右・山岸昌司教員。
腕章を巻いています。


たぶんこの後の時期だと思うのですが、大澤さんが筑波で教員をされていました。
飛行服集合写真がありました。
練習生はみな左袖に楕円形の名札を縫い付けている様子。腕章はありません。
教員はというと、腕章を巻いています。が。が。が。肝心の大澤さんは腕章を巻いていないような・・・・?(^^;)

しかし、大澤さんが「赤い腕章を巻いていたような?」と思い出してくださったことは大収穫でした。




なら谷田部はどうやねん。
飛練16期(乙10期)陸上機の練習機教程です。
16年6月~11月頃か?


前は戦闘機の井汲一男練習生、後ろは今村實雄教員ですが、みんなこのパターン――練習生は腕章なし、教員は腕章あり――です。



こういうことでして。

要するに、航空隊によって決まっていた、ということでもなさそう。
筑波では飛練10期でも飛練17期も、練習生は腕章なし、教員は腕章ありでやっていますが(大澤さんが教えた期も、基本的に教員は腕章あり)、谷田部は飛練10期は練習生は腕章あり、飛練16期は腕章なしでやっています。




飛練10期、偵察の練習機教程・鈴鹿航空隊の方は飛行服の総員集合写真はありません。ありません、というか、わたしは見たことがありません。

が、卒業アルバムに飛行作業中の写真がありました。
右側の長椅子に座っている3人は教員です。

拡大したらこんな感じで。
下士官の階級章と腕章をつけています。

胸に四角い名札をつけているのが練習生です。

教員は腕章あり、練習生は腕章なしなんですよ。


鈴鹿の卒業アルバムにもう一枚飛行服の写真が。


教員。

練習生。

やはり教員のみ腕章をつけていたみたいです。



昨日はK上飛曹(飛練32期)にも聞いてきました。
飛練時代は教員は赤い腕章をつけていたけれど、練習生はつけていなかったそうです。



腕章の使用は、時期の問題や、航空隊の問題ではなさそうです。


上にも書いたのですが、指導側でも腕章をつけているのは下士官の教員のみで、空(飛)曹長以上の教官が腕章をつけている写真はありませんでした。

これはわたしの想像ですが、操練や丙飛などでは入隊時期によっては下士官の練習生がいることもありうるわけで。パッと見たときに階級章以外で教員と練習生を見分けるための目印が必要だったのかな、とも思いました。さすがに准士官以上の練習生(というんだろうか?)はいないと思うんで(^^;)

昨日K上飛曹に、
「どうして教官は腕章をつけておらず、下士官の教員だけが腕章をつけていたのですか?」
と聞いたら、同じことを答えられました。
下士官の練習生がいる場合があるので、それと教員を区別するため、と。





実はですね、腕章がなくてもある程度教員と練習生の見分けはつきます。
「練習生はマフラーや襟巻を使わない」
写真を見てもらったらわかりますよね。マフラーや襟巻をしているのは教員教官だけです。

あと、鈴鹿の飛練10期の場合、マフラー以外にも判別箇所があります。
「飛行メガネ」です。教員教官だけ新型飛行メガネを装着して、練習生には旧型飛行メガネを使わせています(^^;)

この飛行メガネのことも大澤さんに聞いたのですが、旧型でも新型でも特別使い心地に差はなかったように思うと言われていました。

なので、教員たちが、
「こっちの方が使いやすい! よし、先に教員が使うぞ!」
と先取りしたのではなく、たぶん、練習生分の数が揃わなかったんだろうな、と(^^;)




えーっと、結論です。
これは大澤さんも言われていたのですが、練習航空隊の教員の腕章は、隊によって、時期によってまちまちなので、海軍の統一した決まり事ではなく、ある程度隊の裁量でやっていたことではないか、という結論に至りました。

ただ、わたしが聞いたり見たりした中では、
「准士官以上は腕章をしない」
「教員が腕章をつける場合は赤」
「練習生がつける場合は教員とは違う色(大澤さんの練習生時代は青)」
という決まりはあったのかな?

現時点ではこんな感じで。


というわけで、「海軍練習航空隊腕章研究家」を自称してもよかですか?



※画像は6期生・9期生ご遺族、谷水さん、武田信行氏ご提供

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