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9期生の容貌 【番外編】2014年02月11日 19時32分14秒

さっき、「これで最後」と書きましたが、書いたはなから【番外】やります。

「おもいで」以外のところから拾ってきた9期生の外見に関することです。
※画像は必ずしも評されている時期とは一致しません


《本間猛『予科練の空』》
米盛朴練習生(予科練時代)
「背高く色あくまで黒く、筋骨隆々として」
「色の黒さと無骨な風貌に、みんなは有明海名産のムツゴロウの尊称を奉った」


大石芳男練習生(予科練時代)
「秀でた鼻梁、濃い眉、意志を示す黒い目、近代的マスク」


松本勝正練習生(予科練時代)
「長身と端正なマスク、鋭い眼光」


中尾鶴蔵練習生(予科練時代)
「毛深く、しかもその毛が剛毛で、色が白く、柔和な小さい目、ずんぐりした体つきがなんとなく熊を連想させ」


《吉田一『サムライ零戦記者』》
新井正美3飛曹(17年、台南空)
「額から両頬にかけて派手に吹き出たにきび」

これは、吉田さんがラエに到着早々、モレスビー攻撃で「片翼のフラップを敵弾にもぎ取られた若い搭乗員」が、「フラップなしで立派に着陸した」話を聞き、その搭乗員を飛行機のところに呼んで取材をしたという話です。
その「若い搭乗員」が9期の新井正美さんだったわけですが、フラップをもぎ取られた零戦の前に立つ新井さんの写真、『サムライ零戦記者』には掲載されていませんが残っています。
ただしひどいピンボケで、新井さんのお顔ははっきりとはわかりません。
「新井さんだろうな?」
という程度の精度です。
新井さんはカメラの方を向いていないので、もしかしたら、吉田さんが撮影している横から、誰か居合わせたほかの人が便乗して撮った写真かもしれません。




《倉町秋次『予科練外史』》
本間秀人3飛曹(17年、高雄空、回想)
「飛行服に清潔感のただよう彼は、元服したての若武者を偲ばせる少年」


野口義徳1飛曹(18年、201空)
「童顔の彼」
「地色の赤銅色が外南洋の陽に焼けて磨きがかかり頼もしい益荒男ぶりだ」


加藤哲夫1飛曹(18年、瑞鳳)
「秀でた額、ひきしまった口許、叡智を秘めたまなざし、良家の公達のような風貌」


牛王正明上飛曹(18年、702空、回想)
「形のよい頭、整った顔立ち」


前川重美上飛曹(18年、702空)
「美しい月、中秋の名月よりも澄み切った月、前川の長い睫毛が、一本一本数えられる」

野口さんは予科練時代の写真を使いましたが、『予科練外史』には18年秋に倉町先生が戦地に訪ねたときの野口さんの写真も掲載されています。
たしかに目鼻立ちもよくわからないぐらいお顔が真っ黒です。

前川さんも、ここに出した写真は予科練時代ですが、『予科練外史』にはこの「美しい月」とそう離れていない時期の前川さんの写真が掲載されています。
いろいろ写真を見た感じでは「長い睫毛、ああ・・・・なるほど」な感じです。

予科練を卒業してすでに3年、野口さんも前川さんも中堅、頼りにされる一人前の搭乗員として活躍している姿を見れて感激もひとしおだったのですが、と同時に、これらの写真が撮影されて間もなく――野口さんは数日後?、前川さんは2か月後――には戦死してしまわれるので・・・・なんとも複雑な気分になる写真でした。


※画像提供、9期生ご遺族の方々、雄翔館

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