神野正美『聖マーガレット礼拝堂に祈りが途絶えた日』潮書房光人社 ― 2012年12月11日 10時57分19秒
愛媛から帰ってきたら、本が届いていました。
神野正美さんの『聖マーガレット礼拝堂に祈りが途絶えた日』。
副題、「戦時下、星の軌跡を計算した女学生たち」。
何年も、首を長~くして待っていた本です。
短編集。
表題作の他、
オリオンに導かれた爆撃隊
クリスマスの夜のB-29基地攻撃作戦――秘密兵器「光線爆弾」
沖縄の空に消えた「第六銀河隊」
特攻で戦死した学徒士官と遺された母の哀しい物語
定点気象観測船の戦い
旧海軍のオンボロ海防艦で超大型台風に挑んだ男たち
南極観測船「宗谷」南へ!
国民の夢を乗せて――白い大陸に挑んだ戦後初の南極観測隊
赤十字飛行隊長――われ今日も大空にあり
現役最年長九十歳のパイロット、元海軍搭乗員”淳さん”の戦中戦後
わたしが中でも思い入れがあるのは第六銀河隊でしょうか。
第六銀河隊は宮崎基地から出撃しています。
薬真寺少尉のお母さんと面会された伊東さん(元K262要務士)からそのときのお話もうかがっているし、少尉の同級生だった川本氏からもお話をうかがっているので、思い入れは深いです。
他のお話もとても興味深いお話ばかりです。
『空母瑞鶴』『台湾沖航空戦』『梓特別攻撃隊』もそうですが、関係者の方の取材も、資料調査も、丹念にされています。
かといってカタイ本ではありません。
あまりマニアックなことはわからないんだけど・・・・って方でも読める本です。
表題作は女学生たちが主人公のお話なので、女性の方に特にお勧めです。
写真も多いので、わたしみたいに文字が苦手な人間でも大丈夫です。
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