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西澤さんの後輩教育 【おまけ】付き2009年12月04日 10時05分00秒


西澤廣義1飛曹
 
いつも西澤さんのことを妄想するときは、“できの悪い部下”目線での妄想ばかりしているママ。
「ゴルアァ!!離着陸も満足にできんのか! 馬鹿たれっ!」
と巻き舌口調で罵倒されています(*^^*)

で、実際の西澤さんはどうだったのかというと。

西澤さんの後輩教育に関して、最初に目にしたのは坂井さんの『続・大空のサムライ』の一文です(17年5月~8月頃の間)。
『ある夜、私(坂井さん)は全搭乗員を飛行場の海岸に集めた。理由は、その日の空中戦でやってはならないことをやった若いパイロットがいたからである。
―中略―
私は心を鬼にして殴りつけて、その痛さで覚えさせることにした。
「俺はパイロット同士で、こんなことはしたくない。―中略―やったものはわずか二人だが、同年のものの中から、また同じ間違いを繰り返す者が出ないとも限らない。やらなかった者も、自分がやったと思って、この痛さを味わってくれ」
そう言って、私と西澤で制裁を加えた

坂井さんは先任搭乗員。たしか坂井さんは西澤さんのことを「次席」と書いていたと思います。文章を読む限り、この場合、西澤さんが主導で制裁を加えたわけではなさそうです。
ここだけ読むと、坂井さんが「やらせた」ともとれますが。

「そうかー、西澤さんも殴るのかー(-_-)」

続いて251空時代。このとき、西澤さんは次席から昇格して先任搭乗員を仰せつかっている模様。
第三者から見た西澤さんの後輩教育(18年5月頃)。
『若年搭乗員の教育には時として気狂ひ染みて見えるほど熱心だ』(by大野竹好中尉)

「気狂いじみて見えるほど熱心」に教育してくれるらしいです(゜_゜;)

大野中尉は海兵68期出身。
68期といえば、同期生が『自分たちは「土方クラス」※だった』と胸を張るほど。
(※「ヒジカタ」クラスではありません。これの反対用語が「お嬢さんクラス」なので、どういう気風のクラスなのか、想像に難くないはずです)
大野中尉が「土方生徒」本人だったかどうかは未確認ですが、少なくとも周辺に「土方生徒」は大勢いたはずで。そういうものを見慣れているはずの大野中尉が西澤さんの後輩教育を「気狂いじみて見えるほど」とおっしゃっているのです。
どんな教育だろーーー??? うーん(-_-)想像したくない。

ただ、この西澤さんの「気狂いじみて見える教育」ですが、大野中尉は止めるどころが肯定的ですらあります。
『若い搭乗員も彼(西澤さん)のから少しでも自分達の足らざる経験を補ふべき知識を得ようとする点ではその熱心さは決して彼に劣つてはゐなかつた』
搭乗員たちも、その西澤さんの教育にちゃんとついていった、と!

あれ? よく見ると大野中尉は「」と言っています、「話」。
大野中尉が目撃した西澤さんの「気狂いじみた教育」は、どうものようです。訓話、説教の類でしょうか。

「そうかー、少なくとも士官の前では口で教育(^o^)」

角さんの『修羅の翼』。
例の、茂原での特准限定自慢大会の折の西澤さんの発言(19年9月末)。西澤さん、このとき飛曹長・分隊士です。
『「私はね、敵の真正面から取り組みますよ。しかし列機は必ずつけておきます。後ろが不安では弾は撃ってられませんからね。万一離れたときは帰ってから殴ってでも必ず離れないように教育するんです。それが列機のためでもあるんですよ」
「角さん、部下を可愛がり過ぎちゃ駄目ですよ。猫がついちゃ駄目ですよ。軍規は厳正にしなくちゃ、戦争に強くなれませんよ」』
これは西澤さん自身が自分で、ついてこないやつは「殴る」と言っているのです。
その場にいるのは気心の知れた特准の先輩たち。赤裸々に言っちゃっています。

「そうかー、やっぱり殴るのかー(-_-)」

でも、理由もなく殴るのではなく、「列機のため」に殴るのだそうです。

このとき、西澤さんは、
「部下を可愛がりすぎちゃ駄目」
とまで言っています。
西澤さんの部下は可愛がってもらえない!?(゜_゜;)

そんな西澤さんですが、それでもわたしが西澤さんの部下(後輩)という立場に憧れる理由。

予科練の先生に語ったということば。
「戦地に居れば、昨日今日内地から来たばかりの後輩でも兄弟以上に懐かしいです。何故かって・・・・。若くして国家のために自分と一緒に死んでくれると思えばです。自分の生命は捨てても、後輩だけは助けてやりたいと思いますね」(by本人)


【おまけ】
ホリブン
ホリブンは戦闘301の先任搭乗員だったわけですが。
写真や手記から想像する堀先任は、それなりの元気者にも思えますが、K上飛曹によると、
「やさしー先任だった」
そうです。
あまり注意を受けた覚えもないそうです。殴るような人でもなかったそうです。
「もの静かな人」

杉田さんが空戦中、護衛対象の菅野隊長から離れてしまったときですら、
「お前は、比島の201空時代から菅野隊長に可愛がられてきたのに、今日は隊長をやりっぱなしにして駄目じゃないか。帰りは俺が隊長と一緒だったんだぞ」
と、にやにやしながらからかったそうです(『紫電改空戦記』)。
まあ、この場合、相手が杉田さんなので、
「この野郎、隊長から離れるなんて言語道断!!」
と殴りつけるわけにもいかないとは思いますが。

こんな”ゆる系”先任搭乗員で、搭乗員たちがまとめられるのかと心配になりますが、
「自分たちは騒動は起こさなかった」
とK上飛曹は言われていました※。
(※M分隊士の証言は微妙に食い違っていますが(^_^;))

ホリブン、自分で先任時代は「何かと気苦労が多かった」と言っています。
でも、搭乗員たち「騒動は起こさなかった」らしいので、堀先任には堀先任なりの隊の”まとめ方”があったのでしょう(^_^)v

先任搭乗員にもいろいろなタイプがあって、搭乗員たちの引っ張り方もいろいろってことで。


《お断り》文章中に現在用いられていないのではないかという表現・表記がありますが、微妙なニュアンスを伝えるためそのまま使用しました。