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金井昇1飛曹の横顔2009年07月02日 16時14分24秒

だいぶ前に、ママは蒼龍艦攻隊・水平爆撃隊の金井昇1飛曹が好きだとここに書いたことがあると思いますが。

最近、『空母雷撃隊』(金沢秀利、光人社NF文庫)という本を読んでいます。
金沢さんは乙8期出身、艦攻の電信員のようです。
開戦時は飛龍。

この本に、金井さんのことが出てきます。

開戦前、金沢さんは爆撃訓練のために横須賀基地に行きました。そこには、飛龍だけでなく、蒼龍、赤城、加賀、瑞鶴、翔鶴の爆撃機代表も揃っていました。

金沢さんはそこでの金井さんのことを、手記に書いておられます。
ちょっと引用。

『金井上飛曹(このころは「上飛曹」ではなく「1飛曹」)は、特修科爆撃同期生中、爆撃技術成績は断然優秀であるばかりでなく、作業の余暇には、読経三昧にふけり、酒杯を手にせず、大言壮語することもなかった。また、訓練中使用する三十キロ演習弾の運搬は主として電信員の役で、偵察員はほとんど休養し、飛行場に弾が来てから、ちょっと手伝う程度が普通であるのに、運搬も弾作りも、投下器に取り付けることもやり、喜怒哀楽の表情を見せない人であった。しかも、柔和な仏像を思わせる―いってみれば、匂うがごとき美男子であった』


おおおおおっーーーーーー!!!!!

ママははちゃめちゃ搭乗員も大好きですが、こんな近寄りがたいほどまじめな人も好きです。

「読経三昧」ってところが引っかかりますが。
おうちがお寺さんだったのでしょうか。それとも金井兵曹個人が何か宗教に傾倒していたのか、精神修養のための読経なのか、はたまた、心の救いを求めての読経だったのか・・・・。

酒は飲まん人だろうな、とは思っていました。
もちろん、爆撃照準に影響が出てはいけないから。

演習弾を自ら取り付ける、ということに関しても、「やっぱり」という感想です。
この人は完璧主義者でしょう。
水平爆撃隊の嚮導機は、源田さんによると、
「(赤城・渡辺1飛曹・操縦員の場合)操縦索の張り工合など自分の気に入るように調整し、一度その調整が終わったならば他人がこれに触れることを厳に警戒」「燃料の消費に伴って生ずる飛行機の釣合安定度の変化に関しても、どのタンクがどれだけ減れば操縦にどう影響するかということ、精密且詳細に検討して爆撃操縦に応用した」
らしいので、金井さんもこれレベルのこだわりをもっていたことは容易に想像できます。

まじめで、いい加減なことができない性分なんだと思います。

真珠湾に向かう艦内の格納庫の中でも、金井兵曹がわざわざ飛行服に身を包んで愛機に乗り込み、爆撃照準の訓練をしている姿が目撃されています。

自分の爆撃照準に国の命運がかかっている、という覚悟で何事にも取り組んでいるのです。

西澤さんが「自分の目は自分のものだと思っていない」と発言したこととタブって、金井兵曹のことを思うと涙が出そうになるんですよね・・・・。


ところで、最後の「匂うがごとき美男子」うんぬんですが。
金井兵曹、いい男だとは思いますが、「美」かどうか聞かれると、何とも賛同しかねるところが・・・・。まあ、個人の感性の問題なのでね、まあ・・・・。

最近、若い頃のジョンベラ写真をいただいたのですが、それはめっちゃ子どもっぽくってかわいいです。
田舎のヤンキー坊主少年(中学生ぐらい)がカメラにガン飛ばしているような・・・・(^_^;)
初々しーーーい感じです。

「この人が、『海軍の至宝』と呼ばれる存在になっていくのかー」

ええいっ!!
この際だ! 金井兵曹も美男子認定しちゃうぞ!!