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実は謙虚な西澤さん2008年12月13日 16時58分49秒

たばこ休憩中の西澤上飛曹
茂原での「特准限定・撃墜王の集い(自慢大会)」のとき、並みいる先輩方を押しのけて、自分の撃墜記録に関して大いに主張した西澤飛曹長ですが、ふだんは決してそういう人ではありません。

このときは同席していた岩本飛曹長が自慢げに披露した落ち武者狩り的な撃墜方法に、正統派撃墜王としてのプライドを刺激され、またまた、
「おれは地上撃破を除いても80機は落としているぜ」
という岩本飛曹長の言葉にカチンと来て(西澤さんは異常な負けず嫌い)、つい、
「じゃあ、おれは120機だ。草鹿長官から感状と軍刀までもらったぜ」
と自慢し返してしまったようです。

じゃあ、ふだんの西澤さんはどうかというと、いたって謙虚です。

西澤さんをこよなく愛した報道班員の吉田一氏の手記に、そのことに関しての一文があります。

『・・・・私と彼(西澤)の交友は地上のことで、あのすばらしかったであろう戦闘ぶりを見る機会は、もちろんなかった。
 それでいて、私が彼の空戦ぶりを割り合いにくわしく知っていたのは、みな彼の僚友や後輩から聞いた話で、彼はただの一度だって自分の口から私に、空戦の話も、撃墜の状況も話して聞かせたためしはない』

251空分隊長だった大野竹好中尉(68期)の手記にも西澤さんのその辺りのことが描写されています。
18年5月14日のオロ湾攻撃から戻ってきた搭乗員たちの会話を書きとめた部分があります。
P38の速度が速いために逃げられたと口惜しがる小西2飛曹に向かって先任搭乗員の西澤上飛曹が、
「早いから逃げられたってのは言い訳にはならないぜ」
と説教垂れます。その話の流れの中で、小西2飛曹に、
「班長(西澤上飛曹)はいままで何機落としたんですか?」
と聞かれました。西澤さん、
「ガダルカナルで自爆された笹井中尉なんか、80機以上も撃墜しておられるからな。それに比べりゃおれなんかお話にならん」
と、なんともまあ、謙虚な返答をしています。
大野中尉もこう言っています。
『西澤兵曹は少なくとも50機以上の撃墜レコードの保持者だが、いつも絶対に自分の手柄は言わない』

すばらしいじゃあ、ありませんか!!

後輩搭乗員の前での「大人」の西澤さんも素敵。
先輩搭乗員の手柄話にムキになって自慢し返す子供っぽい西澤さんも「かわいい」。