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西澤廣義飛曹長本・「読まなきゃよかった」!!2008年01月30日 09時26分11秒

1/100関行男大尉機零戦21型
なんだかとっても失礼なタイトルの記事ですねー。

でも、現実に読んだことを後悔した本もあるんです。

以下、一読者のくせにあまりにも失礼な言動が続くので、本の著者、タイトルは伏せ字とさせていただきます。

(書いているうちに、怒りモードが沸点に達して、みなさんを不愉快にさせるかも知れません。そういうときはすみやかに読むのを中断し、お医者様に・・・・違った。読むのを中断し、ページを閉じて下さい)

○○○○『××隊 死への△日間』●■社※#文庫

本の表紙は××隊が××基地を出撃するときの実際の写真です。
(なんだが、戦時中の報道記事みたいになってきましたが・・・・)
巻頭にも××隊の出撃時の様子、突入時の写真などが掲載され、すっかり「ドキュメンタリー」だと思い込んで読み始めたママ。

いきなり冒頭に、教会でオルガンを弾く○大尉が登場してぶったまげます。

なーんと、この本、帯に「ドキュメンタリー・ロマン」と銘打っておきながら、正真正銘、”小説”だったんですねー。

隊員たちが慰安所のおねーちゃんと心を通わせるシーンも登場します。
現実にそういうこともあったかも知れないけど、確証もないのに、実在した隊員の実名を挙げて書いていいんかい?とママはかなりご機嫌斜め。

まだまだ「ムッ」とすることは続くのですが、いちおう、記事のテーマが「西澤飛曹長本」ってことなので、それに関連したことで書くと・・・・。
西澤飛曹長の登場シーンが世にも許せないほどの登場のしかたなのです!
××隊の直掩のためにさっそうと基地に降り立ってきた西澤飛曹長(何の話か、わかるやないのっ)。
そこまではよかったのですが、西澤飛曹長、いきなり、隊員に暴言を吐いて○大尉(もう、伏せんでええって?)にぶん殴られます。
なんだか知らないけど、ここで激怒した○大尉に血まみれになるまで殴られ続けます。
こんな登場のしかたがあっていいでしょうか!
ここは全国の西澤ファンがきっと悔し涙を流すシーンでしょう。
「ありえへんシーンや!!」
と言いながら・・・・。

結局、最後は○大尉と西澤さんは心を通わせて・・・・という小説のスジなのですが、それにしても、○大尉の名誉のためにも、西澤さんの名誉のためにも、このシーンだけはいただけないママでした。

”小説”と割り切っても、いただけないっ!

そもそも西澤さんが隊員たちに吐いた暴言、
「おれが来たからには心配ない。ちゃんと連れて行ってやるから、安心して死んでくれ」
いくら西澤さんが↓坂井さんが言うような人物であったとしても、↑こんなことは絶対に言わないはず。
作者の人物設定からして間違っているとしか思えません。
西澤さんはそりゃあ、人に好かれない、皮肉屋な男だったかもしれませんが、かれの自慢は「列機をうしなったことがない」ことであり、吉田さんにこぼしたあのひと言からも、「命」というものを軽々しく考えていないことはわかります。
「安心して死んでくれ」
なんて言うはずがないのだー!!!

○大尉の人物像もどうかと思います。
○大尉に関してはわたしはそれほど精通していませんが、それでも、この人には何か屈折した感情があって、どうかすると後輩には手が出てしまうところがあった人なのだとは理解しています。
おそらく、予備士官の×中尉と△中尉を殴るところを目撃されたそのエピソードから、「誰にでも暴力的な士官」のイメージが定着してしまい、西澤飛曹長も小説の中で血まみれになるまで殴られてしまったのでしょうが、戦闘機に転向してきたばかりの新前分隊長が、いくら腹が立ったからといって、ベテランの飛曹長を殴ることがありえるのでしょうか。

もう、このシーンだけはいくら小説でも「許せんっ!!」ってシーンなんですよねー(怒)。

そもそも、63年前のことを、小説で書いてしまおうってところがいかがなものかな、と思うんですよ。
登場人物は実名ですよ。
この人たちのご遺族や戦友はまだご健在ですよ。
この小説を読んだら、どう思うだろうなあ、って考えてしまいます。
信長や龍馬じゃないんだからさあ・・・・。