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久しぶりに考古学の話2007年12月11日 17時03分39秒

証拠写真
ブログの最初に、「昔、考古学をやっていました~」とぶちまけた割には、考古学のことに触れないので、「経歴詐称ちゃうん?」と疑っている人がいるといけませんね。
ということで、今回は証拠写真を掲載します。(発掘調査中のスナップです。20年前の写真をデジカメで撮り直しました)
でも、顔、写ってないし、なんの証拠にもならないけど。

これは学生時代、S県の某前期古墳の石室でかっこよく発掘中の、正真正銘わたしですっ!!
センスのよくないしましまズボンがわたしですっ!!

いやー、このときは大変でした。
普通は合宿の発掘は夏にやるんですが、このときは夏も春も発掘だったのかな? 写真は春の発掘ですね。石室の底は冷えるんですよ~。
あまりにも寒かったら下に敷いている寝袋にくるまってやっていましたね。

石室というのは、遺体を収める棺を安置する部屋です。写真の石室は上から棺を入れたあと、大きな平たい石で塞いでさらに土をかけて密封する「竪穴式石室」という石室です。棺は木棺で、すでに腐ってなくなっていました。
この発掘以前に、棺内の副葬品の調査は済んでいました。このときは、棺外の副葬品の調査でした。
わたしがいじっているのは棺の南外側で、漆塗りの木製品がありました。木部は腐ってなくなっており、細かい模様が刻まれた漆膜だけが残っている状態でした。
ほら、よくテレビで見る考古学は竹べらとかハケとかカメラのレンズを掃除するパフパフを使っているでしょう? 
あれってほとんどなくて、現実、大部分は土方でした。
でも、このときばかりは本当にあのテレビのイメージのままの考古学の発掘調査でした。乱暴にやると漆の膜がはがれるので、土の粒を一粒ずつ取り除いていくような作業で、一日やっても手のひらほどの面積しか進まないようなことも・・・・(おおげさかな?)

「寒い、寒い」と文句垂れながら、横の側壁が崩れてくるんじゃないかとびびりながら、それでも、こんな経験はもう一生できないだろう、というほど貴重な経験でした。

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